【お客様の声】ブランディング支援事例 価値の再発見とブランド戦略を軸にした伴走型支援|山本電気株式会社様
- Kenji Hirao
- 6月16日
- 読了時間: 7分

「お客様の声」では、取引先の皆さまに、オービタルコラボレーションズとの出会いや、サポート・支援を通して感じたことを伺っています。
今回ご紹介するのは、山本電気株式会社様。
モータメーカーとして長年培ってきた技術力を活かし、家電製品を製造されています。しかし、マーケティング施策が分散してしまい、思うような成果が上がらないという課題を抱えていました。
そんな中、オービタルコラボレーションズ株式会社とカタパルト株式会社が共同で、ブランド戦略策定から実行までを伴走支援しています。価値の再発見と軸の明確化についてお話を伺いました。
目次
山本電気株式会社 営業部 伊藤 圭佑 様
カタパルト株式会社 代表取締役 佐藤 浩志 様
オービタルコラボレーションズ株式会社 代表取締役 平尾 健二
聞き手・文:勝亦美恵
施策の軸を見つけるために
--山本電気様がオービタルコラボレーションズに相談されることになった経緯について教えてください。
伊藤:弊社は家電メーカーでありモータメーカーでもありますが、これまではマーケティングよりも営業を優先し、代理店に販売する方向に走る傾向がありました。
しかし、新しい人材も加わり、次のマーケティング活動に進む段階で、全方位に施策を打ちすぎて期待どおりの成果が得られていないという課題がありました。
会社規模を踏まえ、ある程度施策を絞ってリソースを集中する必要があると判断し、経営陣からオービタルコラボレーションズさんにご相談しました。

平尾:当初は、施策はたくさんあるなかで今何をやるべきか、その軸が見えないという課題を感じました。施策は枝葉の部分で、まずその軸を見極め、方向性を明確にすることが重要です。マーケティング施策よりも戦略をつくることを提案させていただきました。
--ブランディングを体験して、最初にどのような感想を持ちましたか。
伊藤:弊社の製品の持つ価値を整理してから戦略を立てたほうがいいというご提案を受け、ワークショップを開いていただきました。
これまで弊社では、「モータメーカーが造った家電」「日本製」といった漠然とした打ち出し方が中心でした。しかし、ワークショップを通じて、日本製であることの真の価値や、弊社のこだわり、製品のメリット、サポート体制の充実さ、カスタマー対応のスピーディーさなど、お客様に対してどのような価値を提供しているのかを深く考えるようになりました。
佐藤:強いファクトを持っているのに、全体的にふわっとしていて、内部にいるからこそ、その価値に気づいていない印象がありました。
平尾:社内の人間だけで議論すると、自分たちの価値に意外と気づけないものです。山本電気さんが持っているファクトにどのような機能価値があるのか、その機能価値がどのような情緒価値を生むのか、という過程を整理できたことは大きな成果です。

軸となる言葉の発見
--家電部門全体のブランディングを通じて、どのような発見がありましたか?
伊藤:ブランド戦略を考える段階で、山本電気の価値を的確に表現している言葉を発見できました。品質がいい、パワーがある、長く利用されている、というのは製品全体に対する全社の共通認識でした。それらを集約した言葉が出た瞬間、家電部門が取るべき戦略の軸が見えました。
佐藤:通常、戦略を策定するときは、飾りたてた言葉を要求されることが多いのですが、今回は価値を端的に言い表した言葉に行き着きました。実はシンプルな言葉ほど、ブランド側の決心が必要で、言い切ることが難しいものなのです。
平尾:品質の高さやモータの強さなどについては、貴社とその周辺では既に認知されていました。その軸を探る中で、戦略として耐えうる力強い言葉が浮かび上がりました。誰もが理解できる平易な言葉であればあるほど、ブランディングが進めやすくなり、戦略の策定においても大きな効果を発揮します。
ユーザーインタビューで見えた熱量の高い顧客像
--特に印象に残ったことは何ですか?
伊藤:戦略構築の過程で行うユーザーへのデプスインタビューについては、これまで実施したことがなく、非常に有意義な経験でした。お客様の生の声を直接うかがうことで、製品開発における重要なインサイトを引き出すことができました。その点においても意味のある調査でした。
平尾:実際にフードプロセッサーや精米機を利用されているお客様にお話を伺うと、評価が非常に高いことに驚きました。皆さん「次に買い換える際も山本電気さんの製品を選ぶ」と断言されており、深い信頼を寄せていることが伝わってきました。

佐藤:「華美でない」「実を伴った」「気取らない」「時間をかけておいしいものをつくる」といった価値観を持つユーザーが多く、本物志向が強い印象がありました。
平尾:そうですね。貴社の製品は日本のものづくり文化を体現する「道具」としての側面を持ち合わせていると思います。
社内外で起こった変化と今後の展望
--実際にブランディングに取り組んで効果を感じましたか?
伊藤:営業活動のなかで、ブランド戦略をもとに代理店様へ提案したところ「変わったね」という反応を多くいただきました。これまで漠然とした提案が多かったのですが、戦略に裏打ちされた具体的な内容となり、その変化を実感していただいているようです。
また戦術面では、デジタル分野の強化として、ウェブサイトやSNSなどのデジタルチャネルにおける効果測定の支援や、SNS投稿の効率化などのアドバイスを受け、限られたリソースの中で業務の効率化が進みました。

--今後の展望についてお聞かせください。
伊藤:現在、ブランディングをもとに社内で体制の整備を進めています。また、各製品の販売展開を視野に入れ、PRの強化をはじめとする取り組みを社内で行っています。精米機に関しては、備蓄米への関心の高まりを背景に、家庭用精米機としてテレビなどのメディアに取り上げていただく機会が増えました。
平尾:山本電気さんの製品は、一度購入されると長く愛されるという特長があります。さらに精米機に関しては、まさに今の市場ニーズと合致した製品ですから、その価値を広く伝えていきたいと考えています。
佐藤:今後の理想的な展開としては、コーポレートブランドの戦略を確立し、モータ部門を含めた全体のブランドアーキテクチャを構築してゆくことです。
伊藤:実際に、ブランドの方向性が明確になることで、社内の誰が話してもお客様に響くと感じています。最終的には、エンドユーザーにも同様に、誰が受け取っても同じように伝わるブランドを目指していきたいと考えています。
平尾:戦略という軸をともに作り上げたことで、やるべき方向性が明確になりブレません。その結果、生産性が非常に高まっていると感じます。
ともに考え、創り出すパートナー
--オービタルコラボレーションズの特徴をどのように感じましたか?
伊藤:「共創するパートナー」という印象です。難しいことを押し付けるのではなく、私たちと一緒に考え、進めてもらえる姿勢が印象的でした。今後も自社で同様の活動を自立して行えるようブランディングの理解を深め、引き続き新たな価値をともに創り出していただけることを期待しています。
平尾:戦略という軸をともに作り上げたことで、やるべき方向が明確になりました。私たちは特定のものを扱う代理店ではないため、施策が偏ることなく施策利益を生み出すために何をすべきかを一緒に考え、整理整頓できることが強みです。取捨選択を一緒に行い、短期間で成果を上げるための支援ができることが、私たちの価値だと考えています。

オービタルコラボレーションズは、ブランド戦略構築から実行支援まで、お客様に寄り添った伴走型のサポートを提供しています。価値の再発見から施策の実行まで、一貫したご支援が可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください!
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